既望月を旅路の友として

ブログという名の備忘録(URL整理中…)

北の大地へ遥々、晩夏の18遠征 ~05 さらば夕張支線、黄昏色の旅路を終えて~

どうも、気がつけば桜咲き、桜散り、いよいよ明日もいい日と歌うしかなくなった既望路です

とんだ大事件ですわこりゃ 

 

決して毎週のごとくどこかにお出かけしていたとかそんなことは無いですよ…?

(卓上にある岡山地ビールとサラダホープ…? さぁなんのことやら)

 

 

余談はさておき、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、右のあたり(スマホ版は多分下だけ)に赤いバナーが増えました

押すとガチャ運上がります

 

気が向いたら人差し指の運動がてらクリックしてみるのもありかもしれませんね(

というのも、さほどランキング自体にはそこまでこだわっておらず、単に外部にリンクを置いておきたかったってだけの話なんですよね(

(だってクローラーちゃん全然来てくれないんですもん、あれか?Welcomeボードとか輪っかの飾りとかそういう歓待をご所望なのか…?)

 

 

まあ、ご新規で迷い込 いらっしゃった方にも楽しんでいただける、そんな記事が書けるようゆるく精進します(精進とは)

 

 

hesitant-moon.hatenablog.com

 

さてさて、かなり期間が空いておりますが前回は札沼線留萌本線に乗りに行ったお話

途中少し行程がグダりましたが大丈夫

今回はもっとグダってますから(

 

昨年末から続いた北海道遠征編もいよいよラストスパート

というわけでどうぞ

 

 

2017年9月9日

おでむかえ銀色電車

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今日も札幌からスタート

今日も銀と緑の電車がお出迎え

 

電車がお出迎えしてくれるのもここぐらいなんですけれどね…(

 

 さすが北海道(9月)

 

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721系ヨドバシくん

引退したら733系にでもなるんですかね

(なお梅田ヨドバシには未だ103系くんがry)

 

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そんなこんなで適当に時間つぶしてたらやってきた、クリスタルエクスプレス

せっかくなら乗ってみたかったですが、叶うことなく過去帳入り

 

このJR黎明期感あふれるバブリーな感じが好き

 

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停車時間もさほどなく、サッと発車

それでももう少ししっかり撮っておけよと思うもので

 

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こっちもギンギンの列車

この北海道のメタリックな車両を、雪の中で撮れたら楽しそうでしょうねぇ

 

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昔読んでた図鑑では「スーパーホワイトアロー

今は「すずらん

 

一度見ておきたかった車両の一つ

 

 

ここから朝ごはんを食べるべく、市場の方へ

 

ですが、思ったより回転率がアレで、結局食いっぱぐれに

 

 ドクペの上位互換のような味のガラナ

函館で初めて飲みましたが、以来ずっと飲んでる

 

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ちなみに、寄ったスーパーの牛乳コーナーがツヨツヨラインナップ

(地元のスーパーがへちょいだけか…?)

 

 北海道開拓の拠点、札幌

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もともと千歳線で貨物を撮る予定でしたが、色々グダったので札幌散策

 

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まずは言わずとしれた時計台

 

元々は札幌農学校*1の演武場で、ここで学校行事の式典やら兵式訓練を行ったそうで

 

兵式訓練と聞くとなんだか物騒な気もしますが、明治初期の北海道は「兵農一如」のスローガンの元、屯田兵*2による開拓と軍事的防衛に力が注がれている時代でした

 

そんな背景もあり、クラーク博士は兵式訓練の授業を導入*3

強き開拓の指導者、そして有事の際には兵を率いる指揮官を育成すべく、military hallの建設も提唱しました

 

農学校といえども、相手は過酷な北海道の大地(とロシア)

ここで心身ともに鍛え上げられた卒業生が、のちの北海道、そして日本の発展に貢献していくことになりました

 

 

余談ですが、北海道といえばアメリカを思わせるような広大な穀物畑が特徴的ですが、それと同時に田んぼの面積も日本一

前者の方は、北海道開拓使がお雇い外国人の力を借りながらも推進した、西洋式農業(主にアメリカ式)による開拓の賜物*4

 

一方後者は、何としても北海道で稲作をと尽力した人々の業績だそうで

 

元々くっそ寒い北海道に稲作は不向きで、できても精々道南エリアが限界

お雇い外国人のケプロンやクラーク博士も「米は諦めてパンとミルクに乗り換えろ」と言ったとか言わなかったとかそんなレベル*5

 

そんな北海道で稲作を試みたのが中山久蔵という人で、血の滲むような努力の末、初の道南以外での稲作に成功*6

その後、酒匂常明*7の力もあり、北海道全土に展開

こうして、田んぼ面積日本一、生産量日本二位*8の地位の礎を築き上げたのです

 

 

以上ノルマクリアいつもの脱線でした

 

 

再び散策パートに戻りましょう

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街なかになるがっかり観光地とかなんとか言わることもありますが、街なかに文化財がゴロゴロ転がってる某都に比べりゃしっかりしてるもんで

 

今度来たときは中もじっくり回ってみますかね

 

 

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こちらも有名な札幌の観光地、さっぽろテレビ塔

設計者は東京タワーや通天閣名古屋テレビ塔博多ポートタワーを設計した内藤多仲

 

作者が同じなら東京タワーや通天閣の兄弟って感じですかね

 

 

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 北海道庁旧本庁舎

 

かつて蝦夷地と呼ばれていた場所を、開拓使の導入と共に北海道に改称

開拓開始から13年、ある程度開発できたところで函館県*9、札幌県、根室*10を設置、その4年後に置かれたのが北海道庁

その北海道庁の本拠地として建てられたのが、こちらの旧本庁舎

 

アメリカ風ネオ・バロック様式という建築様式のようですが、どの辺がどうアメリカンでネオなバロックなのかはよくわかりませんね(

(この辺の知識も深めては行きたいんですけれどねぇ…)

 

ネオ・バロック様式自体は、19世紀後半フランスの第二帝政*11の時代に行われた、パリ改造やらがルーツの建築様式

権威を高めるために、上下水道の普及や道路網の整備などの都市改造を行っていた時期のブームで、「あの頃のバロック様式*12をもう一度!」「これこそ国家にふさわしい建築!」的なのりで推し進められたとか

 

日本でも旧北海道庁舎の他、旧法務省本館や、中之島中央公会堂などもネオ・バロック様式に当たるらしいですが、本当にそうなのかはサイトによってまちまち

まあ、あんな感じの建物でしょう

 

特に北海道はアメリカのお雇い外国人の影響力が強く、この旧庁舎のネオ・バロック様式も当時アメリカではやっていたいたのが、受け継がれた形とか

 

 

余談が過ぎましたが、ここもいつかゆっくり回ってみたもので…

 

 

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丸っとした大きいライトがかわいい

(謎の貸し切り)

 

 

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予定より一本早い列車で、苗穂をチラ見

札沼線用の黄緑ドアがいますね

 

そして…

 

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なんか動いてるぅぅぅぅぅぅぅっっ!!

 

あなた、あれじゃないですか

前々回軽く話した、国鉄さよならイベントとJR化後の動態復元のために、小樽の博物館から手宮線跡を抜けて復元工事を受けたC62-3じゃないですか

 

D52からの改造を受け、東海道山陽本線を駆けたのちに苗穂へ転属

最後のSL定期急行列車として函館本線を駆け、最後はC62三重連の2両目として有終の美を飾り勇退

引退後は小樽の博物館で静態保存されていましたが、国鉄さよならイベントを前に仮復旧を施し、国鉄最後の夜に白煙を上げ惜別の咆哮

本格的な復旧を終えた後は、ついに臨時快速「C62ニセコ号」として函館本線に返り咲きました

 

今は検査も切れ、苗穂で保存されていますが、イベント時にだけこうして牽引という形で、動いている姿をお目にかかることができます

 

 

 

そう、イベント時だけ…

 

イベント…?

 

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ねえ?絶対何か楽しそうなことやってるよね!!???

 

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ねえ!?ほら、奥!

ニセコヘッドマーク掲げたキハ183が!

40とキハ183の混結が!!*13

 

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白 坊 主 に ニ セ コ エ ク ス プ レ ス も い る じ ゃ な い で す か

絶対楽しいでしょ、これ

見に行きたいよ、見に行く?

歩いて30分ぐらいあるけど

 

これはもしや知らないほうが幸せだったのでは?

いや、遠くからでも一応見れただけでも十分な収穫では?

 

そんな葛藤を胸に、10分後に来た列車に乗り込み、千歳線を南下します

 

 最後の目的地へ

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またお世話になりますキハ40

 

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1700番台とやたら数が大きいですが、100番台(製造当時の番台、極寒地仕様)から700番台(ワンマン化)に1000足しただけです

(残存数に関しては、今月の春に1700番台が大移動しているのでその辺怪しいです…)

 

北海道で一番良く見かける番台ですかね*14


気持ちのいい車窓が広がっています

 

 

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追分に到着

ここで30分ほど退避のため停車

 

バカ停大好きオタクなので、早速散策へ

 

 

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鉄道の街、追分

機関区の火災がなければまた違った光景が残っていたのですかね…

 

やらかすと大惨事なので、セコマで手土産だけ仕入れて帰還

 

 

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ヨ待合室はたくさんありましたが、まさか客車とは…
スハフ44だそうで

 

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新夕張を過ぎると、列車は分岐を経て夕張支線

 

札沼線留萌本線に続き、最後は夕張支線

こちらは廃止が目の前に迫っていたので、本当に駆け込みでしたね…

 

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最後になるであろう車窓をおかずに、南千歳駅仕入れたホッキ飯をいただきます

クリっとしたホッキの食感と、ほのかな磯の風味が炊き込みご飯に合う

 

 

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夕張線が複線だった名残でしょうか…

 

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列車はあっという間に夕張駅に到着
小さくて可愛い駅がお出迎え

 

せっかく来たのでのんびり観光… と行きたいところですが、生憎滞在時間は8分

近くのホテルへの往復ダッシュで終わりました

 

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終点駅に佇む40

この光景もあと僅か

 

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炭鉱の町、夕張

 

1892年に北海道炭礦鉄道の路線として開業し、国鉄編入後も夕張線として多数の石炭列車が行き交う路線に

1975年の12月24日に、SL最期の本線運転となったD51-241牽引の6788列車が走ったのもこの路線でした

 

路線の廃止は抗えない時代の流れですが、幾千の物語を背負っていたであろう路線が消えるというのは、やはり物悲しいもので…

 

 

 ホテルまでダッシュした理由

 

 

次来るとしたら、車になるんでしょうね…

それまではしばしのお別れ

 

youtu.be

帰りは1区間だけですが、動画も撮影

半分以上木ですが、個人的には2分10秒辺りからの景色が好きですね…

 

ほんと、車窓の夕張川が雄大で…

 

 

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新夕張で退避

当然といえばそうですが、これが夕張支線最後の乗車でした

 

そして2019年の春、開業以来夕張を行き来した夕張線が、127年の歴史に幕を閉じましたーー

未だに実感が湧きませんが、時刻表を見ても地図を見ても、もう線路の表記がないことは確か

 

 

帰りましょう

 

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一日のが終わる色、旅が終わる色

 

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追分で350番台に遭遇

キハ40を置き換えたキハ130を置き換える用のキハ40という、キハ130側から見ればなんとも皮肉な番台

キハ130並の出力が出せるよう、機関を増強した番台です

 

日高本線鵡川以東が正式に廃線になり、この10両いた350番台も番台消滅となりました…

路線オリジナルの塗装、結構好きでした

 

 ただいま

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夕張出発から二時間、ついに北海道最後の場所、新千歳に到着

 

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時間はある程度確保しているので、最後にお買い物

 

 空港内は可愛い雪ミクちゃんでいっぱい

 

 思い出いっぱい乗せて

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 そしてお空へ

 

初めての北海道

その広さ、その自然の特異さ、その気候の違い

同じ日本でありながら、驚かされてばかりでしたね…

 

また行きたい

そう、強く思わせてくれる場所でした…

 

 

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ちょっとシェイクされていますが、海鮮づくしのお弁当

米が、米が海鮮をこれでもかってほど引立ててる

めちゃうまかったです

 

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岡山を迂回し、いよいよ関空へ着陸

 

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岡山上空から15分、大阪の街を横に滑走路に滑り込みました

飛行機パない

 

飛行機は定刻通り着陸

いやぁ… 帰ってきたなぁ…

 と余韻に浸るのはまだ早い

 

 エンターテイメントは大事

 

 数日離れていただけなのに、随分と久しい気持ちになりました…

 

ちなみに回したガチャはコンテナダンボー

18Dコンテナすこすこ侍、見事優勝するの巻

 

 帰ってこれた?帰ってきてしまった?

どうなんでしょう

 

幾度も歩いた自宅への道が旅のエンドロール

 

そしてただいま

 

 

移動距離も日数も、今までで一番長い遠征が、幕を閉じましたーー

 

 

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戦利品タイム

ご当地入場券、見事にキハ40がいっぱい

 

 ちなみに追分のセコマで手に入れていたのはやきそば弁当

米ぶち込むよりかはスープの方が合う

 

 

初の北海道遠征

大奮発して新幹線や特急、飛行機なども織り交ぜたりと、いつもとはかなり違った遠征でした

列車乗って、美味いもん食って、観光して、また列車乗って…

 

ひたすら列車乗りまくりだったり、ずっと撮ってたりの遠征とは違った、旅行らしい旅行

こういうのもいいよなぁと思える遠征でした

 

 

そして、これだけは自身を持って言える

「夏の北海道はいいぞ」

 

 

そんな、自分の世界がまた一つ広がった遠征でした

 

 

 後日談

 

 

 

とまあ、昨年末から続いた北海道遠征編もついに完結です

全5回に渡りお付き合いくださりありがとうございました

 

次こそは、次こそは早く更新できるよう頑張ります、ともはや定型句になったワードを今回もまた添えておきます

 

 

次回は久々の圧縮編04になる予定です

今回やたら長引いた分、次回はストイックに行こうかなぁと思っていたり思っていなかたり

いや、毎回ストイックに行こうとは思っているんですよ…? でも気がついたらまた文字数がね?うん

 

 

ともあれ、こんな弊ブログに次回もお付き合いいただければ幸いです

 

では、以上

 

 

 

 

*1:Boys be ambitious.

*2:元は明治新体制でお役御免となった旧武士層(特に戊辰戦争でボロ負けして堕ちた東北士族)を北海道開拓に充てようぜ、的な感じの大作戦。やがては、何だかんだで平民が多く占めるように

*3:クラーク博士のマサチュー摂津農科大学ではすでに導入済み

*4:クラーク博士もその一人で、主にこれからの開拓を担う人材の育成を担当。結局はドイツ式の中小農経営が普及

*5:札幌農学校ではパン食推進のため米食が禁止されたり、開拓使が稲作を禁止したり、北海道庁米食禁止令出したり… というのはたしかにあったそうで

*6:川から牽いた水を一旦日光で温めたり、水路をジグザグに曲げて水温上げたり、寒い夜には徹夜で風呂の水投入したりと様々な工夫を展開

*7:農学者兼官僚、中山久蔵を続託に、北海道庁を挙げての稲作を展開させた

*8:もちろん一位は米どころ、越後国

*9:長万部より西のイメージ

*10:遠軽とか北見とか釧路より東のエリア

*11:ナポレオンの孫のナポレオン三世の時代。民衆による政治の萌芽の時代でしょうか、知りませんけど。クリミア戦争など色々な戦争に首突っ込みまくりでしたが、最後はビスマルクに喧嘩ふっかけられて始めた普仏戦争で負けて捕虜に。時代は第三共和政へ。戊辰戦争江戸幕府が支援を受けていたフランスも、この第二帝政時代ですかね

*12:17-18世紀のヨーロッパで流行した、貴族や教会が自らの権威を高めるべく導入しまくった豪華絢爛な建築様式で、ヴェルサイユ宮殿などが有名。この後に出てくるロココ様式もバロックの派生的なスタンスか

*13:これに限っては平時でもやってそうだから怖い

*14:うまぴょい勢が一番良く見かける番台もこれですかね(主にOP)