既望月を旅路の友として

ブログという名の備忘録(URL整理中…)

夏の岡山・高松遠征 ~四国への入り口・アートへの入り口、玉藻揺蕩う海の城~

どうも、朝夕の冷え込みに対して、日々「これ以上何を着込めと言うのか」と問う既望路です

 

これからどんどん冷えていくんですよねぇ…

南に渡って越冬したい(切実)

 

 

そんな時節ですが、お送りするのは相変わらず夏の記事

いいんですよ、3周も遅れてりゃもう季節なんて関係なしですよ

 

 

夏といえば… 海?山?それともプール?

いや、そんなものはない

 

あるのは水色の長細い切符

オタクにはこれで十分である

 

 

というわけで、今年もやってきた18券シーズン

きっと今回から数ヶ月かけて、振り返っていくんでしょうね…(遠い目)

 

というわけで、第一回目の18旅行、サクッと参りましょう

では、どうぞ

 

 

2017年8月25日

西へ

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向こう側のホームを走るオレンジの電車を見ながら、列車を待つ

いつもの遠征の朝

 

こういう意図しない写真からも伝わる、3年の重さ…

これだから鉄道ネタは恐ろしい

 

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6月ごろから長期のバイトにやっと受かりを始め、資金的にも少し余裕が出始める

遠征のときぐらいは、普段手が伸びないサンドイッチにも手を出していいはず

 

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魚住を出た辺りで見える五重塔

円満寺というお寺の舎利宝塔で、建てられたのは1994年と結構最近

 

建物の太さに対して屋根が小ぶりなためか、何かシュッとした感じですね

 

 

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岡姫を乗り越えれば、そこは岡山

 

奥っちょのキハもいつの間にか急行色になっていましたねぇ…

まだ見てないや

 

 亡き高松への入り口を訪ねて

ここから瀬戸大橋線を南へ

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塗装費ケチりたいだけだろ

 

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茶屋町宇野線に乗り換え、終点の宇野

これで宇野線は完乗

 

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 ラマルドボアお出迎えのため、それっぽく仕上げられた宇野駅

かつては四国への入り口として栄えた宇野駅、今はアートの町への入り口

 

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駅舎もアートな感じでバグってます

 

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2010年から3年おきに開催されている瀬戸内国際芸術祭の会場の一つに、宇野港も挙げられます*1

 

そのため、駅舎のみならず、駅周辺にもアーティスティックなモニュメントが多々展示されています

 

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こちらのチヌのモニュメントは、よくよく見るとゴミ

ドロドロのリカちゃん人形から漂う狂気もまたアートか

 

 

かつての連絡口も、また別の顔になり色を帯びていくんだなぁとしみじみ

 

いまでこそ小ぢんまりとした駅の宇野駅ですが、かつては大きな港駅

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 1980年当時の航空写真と現代の比較

かつてはチヌのある駐車場のあたりまで線路が伸び、そこから直接船に連絡してたことがわかります*2

 

東京からやってきた瀬戸号が、ここで連絡船と接続

乗り換え客は潮風に吹かれながらうどんを啜り、高松まで…

そんな光景もあったんですかねぇ…

 

 

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宇野と高松を繋ぐ船は無くなりましたが、小豆島や直島へ向かう船は未だ健在*3

港町のDNAもしっかり生きてます

 

そして高松へ

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どうせなら宇高連絡船乗っとけよと、振り返りながら思いますが、このときは茶屋町までUターン

 

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宇高連絡船に代わり四国と本州を結ぶは瀬戸大橋

余談ですが、瀬戸大橋の荷重試験の動画はいつ見ても胸アツで

 

 

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ほどなくして、四国に上陸

まずは入国儀式のおうどんをいただきます

 

かつて連絡船のデッキで販売されていたうどんを再現した「連絡船うどん」

時代が違えば、これを海の上で啜っていたんですかねぇ…

 

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何気に夏に行くことがほとんどの四国

この夏も例のごとく、すだちうどんです(柑橘系大好き奴)

 

 

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おうどんを食べた後は駅前の玉藻公園

 

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名前は公園ですが、立派な城跡

別名「玉藻城」の名を持つ、高松城です

 

安土桃山時代の、豊臣秀吉の四国制圧の後に築城さた近世最大級の海城

その大きさは松山城高知城をも上回る大きさと言われ、現存していれば四国最大級の天守だったとも

 

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かつては堀が直接海に繋がっていましたが、現在は周辺の開発で少し内陸に

それでも、堀の水には海水が引かれており、海の魚が堀を泳いでいます

 

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天守なき今も、今治城中津城と並び、日本三大海城に数えられる高松城

もし天守が再建されることとなれば、海に浮かぶ天守の姿も見られるのでしょうか…

 

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ええ、実装されてます

お嬢モードはうどん啜ってます

 

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鯉の餌やりができる城は数あれど、鯛の餌やりができる城は恐らくここだけ

 

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100円の課金でもれなく魚がやって来ます

(この中に鯛がいるのかどうかなんて気にしてはいけない)

 

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江戸期に入城した松平氏によって築かれた披雲殿

江戸期建築のものは明治期に解体、現在残っているのは大正期に再建されたもの

 

重文に登録されていますが、申請すれば普通に貸館として借りることができるそうで

(玄関で710円、一番広い部屋で4780円払えばいけるそうで)

 

 

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高松城の散策を終え、再び高松駅

駅には台湾鉄路との友好鉄道協定*4締結1周年記念のラッピング列車が停車

 

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こういうの好き

 

台湾はぜひとも行きたい海外の国の一つ

なんなら台湾行くためだけに中国語の授業受講しようかと考えた

(結局時間割が合わず断念)

 

行きたいですねぇ… 台湾

 

 

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帰りは少し趣向を変えて指定席

いつもと違ったローアングルの車窓を堪能

 

桃太郎伝説の地へ

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岡山につく頃には日も若干斜めに

 

やたらアニメ調なラッピング列車に乗り込み向かうは、桃t… 吉備線

 

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吉備線の沿線には、吉備津彦命を祀る吉備津神社や、温羅(鬼)が住んでいたとされる鬼ノ城など、某おとぎ話を連想させる遺構が多々あります

 

温羅は、鬼ノ城に住み、度々この地域を荒らしていた悪い鬼

これを討伐すべくやってきたのが吉備津彦命

吉備津彦命は、犬飼健、楽々森彦、留玉臣の3人の家来を共に見事討伐

温羅の首は供養のため、吉備津神社の井戸に埋められましたとさ

 

そんな温羅伝説という伝承も残っていますが、果たしてこれが桃太郎のモチーフなのか、それとも桃太郎の童話に伝承が寄せられているのか

温羅伝説は古くは平安時代桃太郎伝説室町時代からあるので、最早真相はいざ知れず

 

吉備津彦命日本書紀にも出てくる皇族で、吉備の国を平定した人物

温羅は製鉄技術を伝えた渡来人だったり、中央政権の平定以前の地方豪族だったりする説も色々*5

吉備津彦命祀る吉備津神社も、元は温羅を祀る神社だという説

鬼ノ城も、白村江の戦いで大破を喫した朝廷が、防衛のために築いたとか、朝廷の地方管轄のために国府に先駆け築いた施設だとか由来が色々

そもそも鬼ノ城の「鬼」は、百済で城を意味する「キ」の当て字に過ぎないという考え

 

本当に桃太郎伝説の由来か、それとも単なる偶然か

それぞれの伝承が互いに影響し、"誰か"の都合のいい方向へと揺れ動いていく

 

そんな大きな思惑が垣間見える、中々面白い事例で

(まあ、突き詰めたところで正解なんて出やしませんが)

 

 

桃太郎伝説も結構色々なところで、「我こそが」と由来を提唱していますが、戦後はもっぱら岡山の勢いが強い

桃太郎線然り岡山桃太郎空港然り、桃太郎色あふれるのもまた、岡山の特色でしょう

 

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鬼ノ城ちゃんもいつか行ってみたいですね

 

 

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そんなこんなで吉備線乗りつぶし、ここまで帰ってきました

 

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時間があったので、姫路城も少し見てきました

(ほんとに足元まででしたが)

 

 

 

そんな、宇野線乗って、うどん食って、吉備線に乗った日帰り岡山遠征

これにて終わり

 

1500文字ぐらいで終わるのでは…?

と思っていましたが、なんだかんだで3000文字

 

最後の方は何言ってるかよくわかりませんが、毎度のことなのでよしとしましょう

 

宇野も高松城吉備線も、まあ面白いところではあるので、機会があればぜひどうぞ

 

 

さてさて、次回の予告ですが…

これまた超大遠征になりそうな予感です

 

この遠征を機に、「とあるもの」も導入したので、今までの遠征とはまた違ったものになるかもしれません

 

しばらくは純粋に遠征記事になるかなぁとも思っていますが、実際はどうやら

 

相変わらずの気が向いたとき着手の更新ですが、気長に待っていただければ幸いです

 

 

では、以上

*1:宇野港は第二回以降

*2:これがホバークラフト乗り場でしょうか

*3:3年前ならギリギリ走ってただろという野暮なつっこみは置いておいて

*4:松山駅繋がりで

*5:勝者側にとって都合のいい物語が紡ぎ出されるのは、何もヤマト王権に限った話ではない